「同じふじなのに、去年食べたりんごと少し味が違う」
「同じ品種を買ったのに、前に食べたものの方が甘かった気がする」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実はりんごは、同じ品種でもまったく同じ味になるわけではありません。
私たちも毎年りんごを作っていますが、畑によって「ここのりんごは甘味を強く感じるな」
「こっちは酸味とのバランスがいいな」と感じることがあります。
なぜ同じ品種なのに違いが出るのでしょうか。
今回は、青森県弘前市でりんごを育てている大湯ファームが、実際に畑で感じていることを交えながらお話しします。
同じ品種でも育つ環境は同じではありません
「ふじ」なら、どこの畑で作っても同じ「ふじ」です。
でも、育っている環境はそれぞれ違います。
たとえば、
* 土の状態
* 日当たり
* 水はけ
* 畑の場所や地形
* 木の状態
* 雨の量
* 夏の暑さ
* 秋の気温
など、いろいろな条件があります。
人間でも育つ環境によって違いがあるように、りんごもどこで、どのように育ったかによって違いが出てきます。

大湯ファームのりんご畑。同じ品種でも、土や日当たり、その年の天候など、育つ環境によってりんごにも違いが生まれます。
畑によって土が違います
同じりんご畑でも、土はどこも同じではありません。
水はけの良いところもあれば、水分が残りやすいところもあります。
りんごの木は、一度植えたら同じ場所に根を張り、何年、何十年とそこで育っていきます。
その土から水分や養分を吸収し、毎年りんごを実らせます。
そのため、私たちも普段から土の状態を見ながら、りんごの木を育てています。
美味しいりんごを作るためには、実だけを見るのではなく、その木を支えている土も大切だと考えています。

畑の土の状態を確認。りんごの木は、この土に根を張って何年、何十年と育っていきます。
太陽の当たり方も違います
りんごにとって太陽の光はとても大切です。
葉が太陽の光を受けて光合成をし、作られた養分がりんごの成長にも使われます。
しかし、すべての畑に同じように太陽が当たるわけではありません。
畑の向きや周りの環境によっても日の当たり方が違います。
また、同じ畑の中でも木の場所や枝の状態によって、光の入り方は変わります。
そのため私たちは剪定などを行い、できるだけ木全体に光が入るように枝を整えていきます。

同じ畑の中でも、場所や枝の向きによって日の当たり方はさまざま。太陽の光は、りんごの成長に欠かせません。
雨の量や水はけも毎年違います
りんごを育てるには水も必要です。
ただ、水が多ければ良いというわけではありません。
雨が多い年もあれば、なかなか雨が降らない年もあります。
同じ雨が降っても、水はけの良い畑と水分が残りやすい畑では条件が違います。
さらに、夏がとても暑い年、秋になっても気温がなかなか下がらない年など、天候は毎年違います。
私たちは毎年同じ場所でりんごを作っていますが、自然の条件まで同じになる年はありません。
同じ畑でも木によって違います
畑が同じなら全部同じかというと、そうでもありません。
若い木もあれば、何十年もりんごを実らせてきた木もあります。
枝の伸び方や実のなり方、木の勢いも一本一本違います。
「この木は今年、実が多いな」
「こっちの木は枝が元気だな」
そんなことを見ながら、剪定や摘果などの作業をしています。
同じ品種だから全部同じように育てればいい、というわけではないところが、りんごづくりの難しいところです。
農家でも「この畑のりんごは違うな」と感じます
毎年収穫して食べていると、私たち自身も違いを感じることがあります。
「今年、この畑のふじは美味しいな」
「こっちの畑は甘味と酸味のバランスがいいな」
と感じることもあります。
ただし、その畑なら毎年必ず同じ味になるわけではありません。
去年と今年では、雨の量も気温も日照時間も違います。
だから「この畑なら絶対にこの味になる」とは言えません。
品種だけではなく、畑、木、そしてその年の天候
いろいろなものが重なって、その年のりんごの味になっているのだと思います。

同じ畑でも、りんごの木は一本一本違います。木や実の状態を見ながら収穫していきます。
「去年と味が違う」というお声をいただくこともあります
私たちはお客様から、りんごについていろいろなご意見をいただきます。
「今年のりんご、美味しかったよ」
と言っていただけることもあれば、
「去年の方が甘かったように感じる」
「今年は少し酸味が強いかな」
といったお声をいただくこともあります。
同じように作っているつもりでも、毎年まったく同じりんごを作ることは本当に難しいです。
そして、お客様からのご意見で気づかされることもたくさんあります。
自分たちでは分かっているつもりでも、まだまだ勉強不足だなと感じることもあります。
りんごづくりは一年に一度しか経験できません
りんごづくりの難しいところの一つが、一年に一度しか作ることができないことです。
「今年はここが良かった」
「ここはもう少しこうすれば良かった」
と思っても、次に試すことができるのは翌年です。
そして一年後には、また天候が変わっています。
去年とまったく同じ条件でもう一度試してみる、ということができません。
りんご農家を何年続けても、経験できるのは一年に一回。
10年作って10回。
20年作って20回です。
そう考えると、りんごづくりは本当に奥が深い仕事だと思います。
毎年少しずつ成長していきたい
自然を相手にしている以上、すべてを思い通りにすることはできません。
それでも、
「今年はどうだったのか」
「来年は何を変えてみようか」
と考えながら、一年一年経験を積み重ねていきます。
そして、実際に私たちのりんごを食べてくださっているお客様の声も、大切にしていきたいと思っています。
良かったという声はもちろん嬉しいです。
一方で、ご意見をいただいたときには「なぜだろう?」と考えるきっかけになります。
まだまだ勉強することばかりです。
一年に一度のりんごづくりを大切にしながら、去年より今年、今年より来年と、少しずつでも成長していきたいと思っています。

収穫したりんごは一つひとつ色・大きさ・形が違います
まとめ
同じ品種のりんごでも、畑によって味に違いが出ることがあります。
土、日当たり、水分、木の状態、そしてその年の天候。
さまざまな条件の中で、一つひとつのりんごが育っています。
同じ畑で同じ品種を育てても、毎年まったく同じ味になるとは限りません。
そこが自然相手の難しさでもあり、りんごづくりのおもしろさでもあります。
私たちもまだまだ勉強中です。
お客様からいただく声にも耳を傾けながら、一年に一度しかできない経験を一つひとつ積み重ねていきます。
そして、
「今年の大湯ファームのりんごも美味しかったよ」
と言っていただけるように。
これからも、より美味しいりんごをお届けできるよう成長していきたいと思います。
「農薬を半分以下にする」と聞くと、
ただ農薬を減らしているだけと思われるかもしれません。
しかし、りんごは病気や害虫の影響を受けやすく、
必要な防除を行わなければ品質や収穫量に大きく影響してしまいます。
そのため、大湯ファームでは「できるだけ使わない」のではなく、
【必要なときに、必要な分だけ使う】ことを大切にしています。
青森県の慣行栽培36成分に対し、当園は14成分
大湯ファームでは、青森県の慣行栽培で使用される
農薬成分数36成分に対し、14成分まで抑えた栽培を行っています。
また、【青森県特別栽培農産物認証】を受けており、
栽培計画や使用した資材を記録・管理しています。
認証後も毎年現地調査を受け、基準に沿った栽培を続けています。
病気や害虫を知ることが第一歩
農薬を減らすためには、病気や害虫について正しく知ることが欠かせません。
どの病気が発生しやすいのか、どんな害虫がいつ現れるのか、
その年の天候や畑の状況を見ながら、毎日りんごの木を観察しています。
「念のため散布する」のではなく、本当に必要なタイミングを見極めて防除を行うことが、
農薬を減らすための大切な取り組みです。
人の手だからできること
当園では、通常のりんご栽培で使用されることがある摘果剤・摘葉剤・除草剤は使用していません。
摘果は、一つひとつの実を見ながら手作業で行います。

また、りんごをきれいに色づかせるための葉取り作業も、摘葉剤は使わず、一枚一枚人の手で行っています。
園地の草も除草剤に頼らず、草刈りなどで管理しています。

機械や薬剤を使えば効率よく作業できる場面もありますが、
私たちは手間を惜しまず、人の目と手で丁寧に管理することを大切にしています。
必要に応じて木酢液も活用
病気や害虫の防除では、化学合成農薬だけに頼るのではなく、
畑の状況に応じて硫黄剤や木酢液などの資材も活用しています。
こうした資材も取り入れながら、病気や害虫の発生を抑え、
できる限り化学合成農薬の使用を減らせるよう工夫しています。

大切なのは、「何を使うか」ではなく、「いつ・どのくらい・なぜ使うか」です。
畑をよく観察し、その年の天候や樹の状態に合わせて、本当に必要な資材を選ぶことを心がけています。
青森県特別栽培農産物としてお届けしています
大湯ファームのりんごは、【青森県特別栽培農産物認証】を受けています。
出荷する際には、特別栽培農産物であることが分かるシールを段ボールに貼り、
「農林水産省の新ガイドラインに基づく表示」を行っています。
栽培方法や使用資材を記録・管理し、毎年の現地調査を受けながら、基準に沿ったりんごづくりを続けています。
お客様に安心して選んでいただけるよう、どのような栽培方法で育てられたりんごなのかを、
分かりやすくお伝えすることを大切にしています。
手間をかけることが、おいしいりんごにつながる
農薬を半分以下にするためには、多くの時間と手間がかかります。
畑を観察し、一本一本の樹と向き合い、人の手で管理を続ける。
その積み重ねが、安心して食べていただけるりんごづくりにつながると私たちは考えています。
これからも、大湯ファームは品質とおいしさを大切にしながら、
環境にも配慮したりんごづくりに取り組んでまいります。






























