同じ木に赤いりんごと青いりんご?王林の木にサンつがるを接ぎ木した理由 | 青森りんご産地直送 大湯ファーム

同じ木に赤いりんごと青いりんご?王林の木にサンつがるを接ぎ木した理由

りんご畑を見ていると、ときどき不思議な光景に出会います。

こちらの木には、赤く色づいた「サンつがる」。

ところが、同じ木の別の枝を見ると、青い「王林」がなっています。

サンつがると王林
1本の木に赤いサンつがると青い王林。実は接ぎ木をしています。

赤いりんごと青いりんごが、同じ木になっているんです。

「同じ木なのに、どうして違う品種のりんごがなるの?」と思いますよね。

実はこれ、りんご栽培で行われる「接ぎ木(つぎき)」によるものです。

今回は、大湯ファームで実際に行っている接ぎ木についてご紹介します。

同じ木に「サンつがる」と「王林」

この木は、もともと王林の木です。

そこにサンつがるの枝を接ぎ木しました。

そのため、一本の木の中に、王林がなる枝と、サンつがるがなる枝があります。

同じ根から育っている一本の木なのに、枝によって違う品種のりんごがなる。

知らずに見ると、ちょっと不思議な光景です。

そもそも「接ぎ木」とは?

接ぎ木とは、育っている木に別の品種の枝や芽をつなぎ、育てていく方法です。

接いだ部分がうまくつながると、その枝は成長して、やがて花を咲かせ、実をつけるようになります。

今回の場合は、

王林の木にサンつがるの枝を接いだので、その枝にはサンつがるが実ります。

王林とサンつがるが混ざった新しい品種になるわけではありません。

王林の枝には王林。
サンつがるを接いだ枝にはサンつがる。

それぞれの品種のりんごが実ります。

接ぎ木とは
違う品種の枝を接いでいる様子

なぜ王林の木にサンつがるを接いだの?

大湯ファームでこの接ぎ木をしたのには、ちゃんと理由があります。

当時、畑には王林の木が多くありました。

そこで王林の木をすべて抜いて、新しくサンつがるの苗木を植えるのではなく、
すでに育っている王林の木を活かしてサンつがるを接ぐことにしました。

大きく育った木を活かしながら、違う品種へ変えていく方法です。

接ぎ木なら約3年、苗木からなら7〜8年

接ぎ木をする大きな理由のひとつが、収穫できるようになるまでの時間です。

大湯ファームでは、新しく苗木を植えた場合、しっかり収穫できるようになるまで7〜8年ほどかかります。

りんごづくりは、とても時間がかかります。

「この品種を増やしたい」

と思って苗木を植えても、すぐにたくさんのりんごが収穫できるわけではありません。

一方、すでに育っている王林の木にサンつがるを接ぎ木すると、約3年で収穫できるようになります。

今ある木を活かせるうえに、新しい苗木から育てるよりも早く収穫できる。

これが接ぎ木の大きなメリットです。

同じ木でも、品種が違えば管理も別

一本の木に2つの品種がなっていると、

「同じ木なら、育て方も収穫も一緒なのでは?」

と思うかもしれません。

でも、そうではありません。

サンつがると王林は別の品種なので、栽培管理のタイミングや収穫時期も違います。

そのため大湯ファームでは、接ぎ木をしている木には「王林/サンつがる」と書いた名札をつけて管理しています。

同じ一本の木でも、

「こちらは王林」
「こちらはサンつがる」

と確認しながら、それぞれの品種に合わせて作業を進めます。

特に収穫時期は大きく違います。

サンつがるを収穫する時期になっても、王林はまだ収穫しません。

同じ木になっているからといって、一緒に収穫するわけではないんです。

接ぎ木をすれば早く違う品種を収穫できるようになるメリットがありますが、その分、
どの木に何の品種を接いでいるのかをきちんと把握しておくことも大切な仕事です。

赤いりんごと青いりんごが同じ木になる面白さ

私たちにとっては畑で見慣れている光景ですが、改めて見ると不思議ですよね。

一本の木に、赤いサンつがる。

その隣の枝には、青い王林。

りんごは実だけを見ることが多いですが、木や枝のことを知ると、また違った面白さがあります。

そして接ぎ木は、ただ珍しい光景をつくるためにしているわけではありません。

今まで育ててきた木を活かしながら、必要な品種を増やしていく。

長い年月がかかるりんご栽培だからこそ使われている、農家の技術のひとつです。

まとめ|同じ木に違う品種がなるのは「接ぎ木」

大湯ファームにある、王林とサンつがるが一緒になっているりんごの木。

もともとは王林の木で、そこにサンつがるを接ぎ木したものです。

新しい苗木を植えて収穫できるようになるまでには7〜8年ほどかかりますが、接ぎ木なら約3年で収穫できるようになります。

ただし、同じ木になっていても王林とサンつがるは別の品種。

栽培管理や収穫時期も違うため、目印をつけながら、それぞれの品種として育てています。

同じ一本の木から、赤いりんごと青いりんご。

りんご畑には、普段りんごを食べているだけではなかなか分からない面白いことがたくさんあります。

これからも、実際の畑で見つけた「りんごの不思議」や、私たちが普段何気なく行っている農作業についてご紹介していきたいと思います。

この記事を書いた大湯ファームについて

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大湯ファームは、青森県弘前市のりんご農園です。
化学肥料を使わず、一つひとつ丁寧に育てています。
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